距離が近くなって気づくこと。
気分を害す可能性があるからどうか読まないで欲しい。
私の好きだったアイドルが帰ってきた。
たった数日でSNSはフォロワー10万人。
ちょっとしたインフルエンサー。
名前は伏せておく。
彼はとっておきの「エゴサマン」。
こんなちっぽけなオタクの言うこと、届くはずなんて無いだろうし、目に入ったところで彼は傷つかないと思う、気にしないと思う。
でも、私は彼にはやっぱり、アホで天然で多才で自己PRが得意でキラキラした人間でいて欲しい。
彼が『アイドル』という仕事を終了してからおよそ1年。
私は何度も『速くインスタ開設してくれアホ』と言い続けた。
自分のユザネ+インスタで検索するとすぐ出てくる。恥ずかしい。
何度も懇願し続けていたら、パッと戻ってきた。
4月16日、昼。
世界の平和を願って彼は帰ってきた。
事務所の人間としてではなく、あくまでも彼と言う一人の男として。
そもそも、ファン思いでハイスペック、お、値段以上な彼。
「事務所の事は一切投稿しません」という注意もあった。
どこまでできた男なんだ。
泣きながら感動した。
それからというもの。
たった半月なのに、彼はアイドルとファンという関係ではできなかった事をたくさんしてきた。
塗り絵用のイラスト、以前プライベート用で作ったSNSのスタンプと着せ替え、NYに行っていた頃のダンス動画、キーボードやギターを使っての弾き語り……
彼の類まれなる努力と、溢れ出る才能を感じることが出来て、すごく幸せだった。
だからこそ、苦しくなった。
どうしてこの人はアイドルとしてデビューしなかったのだろう。
年齢ということ、グループが結成されたこと、そういう全てのことを抜きにしても、彼がアイドルとしてやっていかないだろうということは、何となく感じていた。
ステージに立つ度に、これが最後かも……と思った。
でも私は、彼はアイドルが天職だと思っていた。
ファンサマシーンなんて言われたこともあった。
何より私が、アイドルの彼が大好きだった。
SNSを通して距離が近くなればなるほど、苦しくて悔しくなった。
それでもフォローはしてる、好きだもん。
ストーリーズに載ったキーボードの花cherie。
綺麗で、優しくて、切なくて。
この人のキーボード姿は正直番組で弾いてた1回しか見たことがない。
いつからか後輩がその座を勝ち取っていた。
続々と更新されるNYのダンス動画。
ステージに立つ彼もすごく活き活きしていた。
でも、いつからから後輩たちが彼のステージを奪っていた。
せっかく先輩ライブにバックで着いて用意していただいた自分たちのステージ。
DVDに収録された公演は、急遽参加した後輩たちによって出番は減った。
とにかく映えな写真と動画。
笑った顔も、キメ顔も、ふいに撮られた顔も、全てが輝いていた。
これも、いつからか後輩が雑誌に掲載されるようになり、カレンダー関連の時しか呼ばれなくなった。
その「後輩」に対しての嫌悪は全くない。
アイドルでいた時よりも活き活きしている。
アイドルでいた時よりも歌声を多く聞くようになった。
……なにそれ。
アイドルだったのに。
Gravityが大好きで、その為だけに円盤買って、ずーっとそこだけ何回も見て……ってしてた事が悲しくなった。
素顔4を何度も泣きながら観た。
アイドルを辞めていった子達をもう一度追いかけるのは嫌だった。
この事務所に所属していたことを承認欲求に利用するやつ、辞めてった癖にこの事務所で充分やって行けることで飯食ってるやつ。
辞めてく理由はそれぞれだから口を出すつもりは無いけど。
インスタライブでこの事務所にいた頃の交友関係が今も続いてるかって話をする男は大っ嫌い。
あと動画サイトで「元ジャニーズがぶっちゃけ答えます!」みたいなやつ。
いろいろ話が逸れてきた、よくわかんなくなってきた。
とにかく、
距離が近くなって気づいたこと。
もっと距離が遠くなる。
そして、私は『アイドル』が好き。
振付師の彼を応援しようってずっと思ってた。
でもいつも、「あわよくば戻ってきたら?」なんて思ってる自分がいて。
1年経ってもそれは消えなかった。
振付師が悪いなんて全く思わないけど。
それでも私は、キラキラの衣装を着て、たくさんのペンライトに囲まれて、仲間と一緒に、ひたすら歌って踊って、「ちょ、おまっ、このタイミングで!?」って時にファンサをしてくる。
そんな彼が大好き。
これからもそれはきっと変わらない。
だから私は、ある程度の距離を取った状態で、振付師の彼を応援する。
彼の人間性に惚れ込んでるのは間違いないから。
アイドルじゃなくなったとしても、そこを嫌うことはできなかった。
変なまとめ方をするけれど。
貴方は変わらず輝き続けてください。
大好きです。
どうか、こんな物が見つかりませんように。